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武装神姫 MMS,Type ANGEL ARNVAL 『空は私のお友達ですっ!』 彼女は常に、天空を華麗に舞う 重き大地を離れ、1人自らを向かいいれる広大な大空へと それはまるで天使の煌めき 白き天使の加護が、貴方にも舞い降りる 『天使型MMS アーンヴァル』 アーンヴァルは第一弾として発売されたMMSだ 高い高速機動性能と本格的な空戦能力を持つ数少ない神姫であり、中~遠距離戦を重視しつつもバランスの取れた武装と相まって、後発の機体が次々と出現している現在に置いても一線級の戦闘能力を持つ。 火力と機動性が高い次元で融合した優秀な機体だが、その分割を食った形で本体の装甲が軽装でまとめられている。 【基本能力】 アーンヴァルは空中戦と射撃戦のプロフェッショナルである。 そのため戦闘基本値に以下の修正を得る。 【射撃基本値】(+3) 【格闘基本値】(+2) 【回避基本値】(+3) 【特殊】『飛行』時【回避】(+1) 《飛行特性》習得済 【技能】 アーンヴァルはキャラクター製作時に、以下のリストから技能を3つ習得できる。 また経験を積んでキャラクターレベルが上昇した場合、3で割り切れるレベル(3,6,9,12……)に到達する度、新しい特殊技能をひとつ、修得できる。 アーンヴァル 技能リスト 《追加HP》 《一斉発射》 《ウェポン習熟》 《緊急回避》 《逃走》 《シールドブロック》 《追加SP》 《反射神経》 《連携攻撃》 《タフネス》 《突撃》 《不死身》 《SP回復》 《狙撃》 《複数目標攻撃》 《一斉掃射》 《回避フォーメーション》 《高速移動フォーメーション》《速攻フォーメーション》 《集中砲火フォーメーション》 ○アーンヴァル(ノーマル) 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(±2) 【速度】(7:VTOL/飛行) 【格闘修正】(-2) 【装甲値】 ( 4 ) 【旋回】(3) 【回避修正】(+2) 【HP】 ( 26 ) 【パワー】 ( 6 ) ○アーンヴァル(ブースター装備)(*1) 【基本性能】 【射撃修正】(±0) 【センサー性能】(±2) 【速度】(9:VTOL/飛行) 【格闘修正】(-2) 【装甲値】 ( 4 ) 【旋回】(2) 【回避修正】(+2) 【HP】 ( 26 ) 【パワー】 ( 7 ) 【格闘武器】 名称 /威力/格闘補正/使用回数 格闘 / 6 / ±0 / ∞ ライトセイバー / 8 / +1 / ∞ 【射撃武器】 名称 /威力/~5/~10/~15/~20/使用回数/間接/連射 アルヴォLP4ハンドガン / 7 /+3/ - / - / - / 8M / ×/ × アルヴォ PDW9 / 9 /±0/ -2/ - / - / 9M / ×/ ○ LC3レーザーライフル(速射) / 11/-13/ -7/-10 / - / 10 / ×/ ○ LC3レーザーライフル(一撃) / 13/-15/-13/-16 / -21/ 3 / ×/ × (*1)移動前後に廃棄可能。 【カスタムデータ】 【部位】 /【CP】/ 【名称】 /【効果】 頭部 / (0)/ ヘッドセンサー・アネーロ /《センサー性能+2》 胸部 / (0)/ buAM_FL012アーマー /《装甲+1》《セイバー専用ラック×2》 脚部 / (0)/ ランディングギアAT3 /《回避+2》 《格闘-2》 《歩行不能》 背部U / (4)/ リアウイングAAU7 /《HP+5》 《回避+1》 《速度+2》 《パワー+1》《飛行/VTOL》《追加ラック×4》 / (0)/ エクステンドブースター /《速度+2》 《旋回-1》 《VTOL/飛行時専用》 武装 / (1)/ LC3レーザーライフル 計 /( 5 )
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-”A”- 私はアーンヴァルタイプのMMS。 愛称はアルファ。 マスターが最初に購入したMMSだから。 ”A”を指すコード。 闘技場へはマスターのセカンドカーで行き来する。 マスターが運転し、他の神姫たちは後部シート。 セカンドシートは私の定位置だ。 帰路。 戦績が悪いときは家までの一時、この位置は地獄に感じる。 戦績が良いときは天国だ。 運転中、マスターが私たちに言葉をかけることは無い。 それでも 機嫌の良いマスターの横顔を眺めていられる。 他の神姫たちの目を気にせずに。 ガレージに車を入れるとマスターはさっさと二階の居住区画へと階段をあがっていく。 他の神姫たちはこのガレージが兵舎となる。 指揮官機である私だけが二階に入ることを許されていた。 「今日はよくやった。 各自装備の手入れがすんだらゆっくり休め。 後はまかせたぞ、ブラボー。」 今日の戦闘データのやりとりを終えると私は二階へと向かう。 人間用の階段も飛行ユニットを装備したアーンヴァルタイプの私には苦にならない。 「失礼します!」 ドアにあけられたMMS用の出入り口 (元はネコ用だと聞いた)の前で声をあげてから5秒後に入室する。 マスターが入室を拒むときは何か返事があるからだ。 返事がないということは入室を許可されたと判断するのが常だった。 マスターはさっそくネットワーク端末に向かい、今日のニュースに目を通されている。 机の角へと飛び上がって、直立不動の姿勢をとる。 「戦闘結果のご報告にあがりました」 「ん。データ送っといてくれ」 ちらりと私を一瞥して視線をモニターへ戻す。 「マスター…」 私の言葉をさえぎるように小さくため息をつくマスター。 「ワイヤレスは情報漏れの危険性が高い。か? ったく・・・」 ネットワーク端末につないだ接続用ケーブル、 その先を指でつまむマスター。 私はこれ以上ないくらい素早い動きで 自分の端子口をあける。 「接続準備完了!」 ──!! ズブリと一気に差し込まれる端子。 その衝撃が全身をかける。 カチリと私の奥に端子がおさまる。 声が出そうになる。 マスターはモニターへ視線を戻してネットワーク端末を操作しはじめる。 端子をくわえこんだ私の部分が熱くなる。 んぅぅ・・・ 有線接続にどうしようもない昂りを感じる。 マスターの横顔。 マスターがネットワーク端末を操作する動作。 それを見て机の端で身悶えする自分。 …最低だ。 頭の中であらん限りの罵倒を自分に浴びせる。 でも コアが熱くなるのがとまらない。 マスター!マスター!マスター! ……… …… … 「…だなぁ。まぁ、こんなもんか…」 ブッ! モニターを眺めながら片手で乱暴に端子を引き抜くマスター。 「ひぁ」 思わず小さな声が漏れた。 本棚の隅。 何かの部品を梱包していた気泡緩衝シート (プチプチのアレ)が私のベッドだ。 ここからだと部屋が見渡せる。 警備には最良のポジション。 そして、マスターの寝顔も。 武装神姫のAIは成長する。 それが武装神姫の魅力であり強さであると言う。 そしてAIの成長に失敗したものは捨てられる。 … AM6:45 そっと、マスターの枕元へ降り立つ。 寝息でマスターが熟睡していることを確認する。 「…マスター…」 大きなその頬へそっと自分の頬を寄せる。 温かい。 不自然なその格好のままでも 苦痛を感じないこの身体に感謝する。 AM6:59 そっと身を離して目覚まし時計の鳴るのを待つ。 ”piririri!!!!!” 「起床時間です!おはようございます!マスター!」 挨拶が返ってくるかどうかは… 残念ながら確率が悪い。 「ガラクタども!お前らはマスターを愛しているかっ?!」 配下の神姫を前にして今日も私は闘技場の格納庫で叫ぶ。 「相手のガラクタどもを残らずファックしてやれ!総員出撃!!」 私は戦い続ける。 オイルと硝煙にまみれて。 失敗したと言われぬように。 捨てられぬように。 愛しているから。 end-
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第2部 「ミッドナイトブルー」 第4話 「night-4」 西暦2041年 5月21日 23:00 『大阪府 大阪市 鶴見緑地センター店』 シンと静まり返った公園内の大池の端の桟橋で何人かのオーナーと神姫たちが集まっていた。 チーム名「アルファ艦隊」 □将校型MMS 「ナターリャ」 SSSランク「演算」 オーナー名「伊藤 勝成」♂ 70歳 職業 古物商店主 □ 航空母艦型MMS「ツラギ」 SSランク 二つ名「アタックキャリア」 オーナー名「金川 登」♂ 40歳 職業 模型店長 □重巡洋戦艦型MMS 「マキシマ」 SSランク「ワルキューレ」 □重巡洋戦艦型MMS 「ヴィクトリア」 SSランク「砲女神」 □巡洋戦艦型MMS 「ノザッパ」 Aランク オーナー名「野木 恵」♀ 24歳 職業 ネオニート □戦闘機型MMS 「アオイ」 Aクラス オーナー名「立花 一樹」♂ 24歳 職業 事務機営業マン □夜間戦闘機型MMS 「ツクヨミ」 Aクラス オーナー名「衛山 進」 ♂ 24歳 職業 物流設備管理者 □ステルス戦闘機型MMS 「フェリア」 Sクラス □ステルス戦闘機型MMS 「アネット」 Aクラス オーナー名「今宮 遥」 ♀ 23歳 職業 商社営業員 □ 剣士型MMS 「ノロヴァ」 Aランク □ 騎士型MMS 「バートリー」Aランク □ 戦乙女型MMS「オタリア」Sランク □ 悪魔型MMS 「ニパラ」 Sランク □ 戦闘爆撃機型MMS 「マレズ」 Sランク □ 戦闘機型MMS「カグラ」 Aランク □ 天使型MMS 「レコア」Sランク □砲台型MMS 「ルーシ」Aランク 桟橋に横付けしてある巨大な航空母艦型神姫の甲板でナターリャが煙草を一服する。 ナターリャ「・・・・」 ナターリャはぼんやりと暗闇の湖を眺める。 桟橋の上でガヤガヤと騒ぐ完全武装の神姫たち。ガチャガチャと武装を鳴らしてあにやら喚いている。 金川「夜帝?夜帝だとォ!!!」 小太りの男性が上ずった声で叫ぶ。 アオイ「な、あの夜帝だってェ!!そいつが今日の相手かよ」 ツクヨミ「ま、マジかよ・・・やべえ」 戦闘機型のアオイとツクヨミは目をまん丸と開いて叫ぶ。 ノザッパ「なんだぁ、てめえら知ってるのかよ」 マレズ「有名だぜ、夜帝はよォ・・・こりゃ下手すると全滅すッぞ」 立花「その夜帝ってそんなにヤバイのか?」 衛山が肩をすくめる。 衛山「あんまし聞いたことねーな」 金川「き、君たちは知らないのか・・・」 アオイ「真夜中の12時にしか現れないSSS級のランカーだ。何がヤバイってこいつは本物だからだ」 衛山「本物?何が?」 ツクヨミ「ガチで最強なんだよ・・・夜間戦闘でアイツに勝てる神姫は存在しねえ・・・」 マレズ「ああ・・バトルロンドではソイツは夜中にしか出没せず、遭遇することはめったにないから今まで存在はあまり知られてないのもあるが、一番の理由は対戦相手をほとんど一撃であっという間にすれ違いざまに撃破していくので姿を見ることも不可能だ。倒された神姫は相手の姿を見ることが出来ないので実際には存在しない架空のランカー神姫だと思われていたぐらいだ。姿を見ることも出来ずにぶっ殺されるんだよ・・・」 衛山「ええええ!!?」 アオイ「SSSランカーの武装神姫を舐めるなよ、連中は他の武装神姫とは一線を画している。イリーガル神姫とか、そんなチャチで生易しいものじゃないんだ。違法改造された強化イリーガル神姫よりも数万倍も恐ろしいのが連中、SSS級のランカー神姫だ・・・この関西地方になんで、イリーガル神姫がいないのか理由が分かるか?」 立花「し、知らん」 アオイ「ほんの一握りのSSS級ランカー神姫が一匹残らず喰い殺したからだ・・・今から戦う相手はそんな連中なんだ・・・」 ツクヨミ「はあーーーエライことになったぞ」 ノザッパ「もう、お前らそんなこと言うなよ!!アホ」 金川「おう、なんてことだ・・・」 今宮「上等じゃない」 スラッとしたスーツを着た今宮が、缶コーヒを飲む。 今宮「SSS級と言っても所詮は、一体の神姫・・・今日は戦艦型神姫もいれば航空母艦型もいる・・・艦載機も数は十分、ざっと見ただけでも数十体はいる。1個機動MMS艦隊を丸々投入するんでしょ?」 立花「おおー遥、お前も来ていたか」 衛山「久しぶりー」 今宮「立花に衛山、野木までいるの?ちょっとした高校の同窓会かな?」 今宮のカバンの中から黒い神姫が顔を出す。 フェリア「どうやら着いたようですね」 アネット「どうせ、またろくでもない神姫と戦うんだろうさ・・・」 ため息をつくアネット。 今宮「今日の相手はSSS級のランカー、『夜帝』よ」 アネット「そらきた」 フェリア「・・・上等じゃない・・・」 野木「よく来てくれた遥、立花に衛山、君たちの力が必要だ」 野木がひらひらと手を振る。 立花「SSS級だって?勝てるのかよ」 野木が甲板にいるナターリャに指を指す。 野木「今日は諸葛亮のような優秀な軍師を呼んだ。SSS級の将校型MMS、ナターリャ将軍だ」 ナターリャがぴっと敬礼をする。 ナターリャ「ナターリャだ。今宵のバトルロンドは私が航空母艦内で指揮を取る。諸君らは神姫のサポートをお願いする」 立花「なるほどね」 今宮「高級将校か、贅沢の極みだな。おまけに戦艦型に航空母艦型神姫もいやがる」 衛山「一体なにがはじまるんです?」 ナターリャ「第三次世界大戦だ」 ブオオオーブオオオオー ツラギが汽笛を鳴らす。 桟橋に集まる神姫たち。 ナターリャがカツカツと靴音を立てて、ツラギの甲板に上がる。 ナターリャ「諸君 私はバトルロンドが好きだ」 虚ろな目でつぶやくナターリャ ナターリャ「諸君 私はバトルロンドが好きだ」 ナターリャ「諸君 私はバトルロンドが大好きだ」 殲滅戦が好きだ 電撃戦が好きだ 打撃戦が好きだ 防衛戦が好きだ 包囲戦が好きだ 突破戦が好きだ 退却戦が好きだ 掃討戦が好きだ 撤退戦が好きだ 平原で 街道で 塹壕で 草原で 凍土で 砂漠で 海上で 空中で 泥中で 湿原で このバトルロンドで行われるありとあらゆる戦闘行動が大好きだ 戦列をならべた砲台型神姫の一斉発射が轟音と共に敵陣を吹き飛ばすのが好きだ 空中高く放り上げられた敵神姫が効力射でばらばらになった時など心がおどる 戦車型神姫の操るインターメラル3.5ミリ砲が敵戦車型神姫を撃破するのが好きだ 悲鳴を上げて燃えさかる武装から飛び出してきた敵神姫をM7速射拳銃でなぎ倒した時など胸がすくような気持ちだった 銃剣先をそろえた歩兵型神姫の横隊が敵神姫の戦列を蹂躙するのが好きだ 恐慌状態の新兵神姫が既に息絶えた敵神姫を何度も何度も刺突している様など感動すら覚える 敗北(サレンダー)主義の逃亡兵達を街灯上に吊るし上げていく様などはもうたまらない 泣き叫ぶ慮兵達が私の振り下ろした手の平とともに金切り声を上げるアルヴォ軽機関銃にばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ 哀れな抵抗者達が雑多な小火器で健気にも立ち上がってきたのを装甲列車型神姫の列車砲撃が都市区画ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える 圧倒的な物量の機甲MMS師団に滅茶苦茶にされるのが好きだ 必死に守るはずだった仲間たちが蹂躙されむごたらしく殺されていく様はとてもとても悲しいものだ 機動MMS艦隊の物量に押し潰されて殲滅されるのが好きだ ヘリ型神姫、戦闘攻撃機型神姫に追いまわされ害虫の様に地べたを這い回るのは屈辱の極みだ 諸君 私はバトルロンドを地獄の様なバトルロンドを望んでいる 諸君 私に付き従う武装神姫戦友諸君 君達は一体何を望んでいる? 更なるバトルロンドを望むか? 情け容赦のない糞の様なバトルロンドを望むか? 鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐の様な闘争を望むか?」 桟橋に集結した神姫たちが叫ぶ。 『バトルロンド! バトルロンド! バトルロンド!バトルロンド! バトルロンド! バトルロンド!!!バトルロンド! バトルロンド! バトルロンド!バトルロンド! バトルロンド! バトルロンド!!!』 ナターリャ「よろしい ならばバトルロンドだ 我々は渾身の力をこめて今まさに振り降ろさんとする握り拳だ だが起動してきてから戦い続けてきた我々にただのバトルロンドではもはや足りない!! 大戦争を!! 一心不乱の大バトルロンドを!! 我々はわずか1個機動MMS艦隊 数十人に満たぬ武装神姫にすぎない だが諸君は 一騎当千の古強者だと私は信仰している ならば我らは 諸君と私で軍集団となる!! 我々を忘却の彼方へと追いやり 眠りこけている連中を叩き起こそう髪の毛をつかんで引きずり降ろし 眼を開けさせ思い出させよう SSS級のランカーに恐怖の味を思い出させてやる 連中に我々の軍靴の音を思い出させてやる 天と地のはざまには 奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる 桟橋にいる神姫たちが胸を叩く 神姫「CSC、CSCの火だ!!」 ナターリャ「我々の戦闘団でバトルロンドを燃やし尽くしてやる」 神姫たちが叫ぶ。 「将軍、閣下、将軍殿、指揮官殿!!艦隊指揮官殿!!!将軍、閣下、将軍殿、指揮官殿!!艦隊指揮官殿!!!将軍、閣下、将軍殿、指揮官殿!!艦隊指揮官殿!!!将軍、閣下、将軍殿、指揮官殿!!艦隊指揮官殿!!!」 野木「なんだこれ?」 立花「うわあ・・・」 衛山「武装神姫のノリってようわからんわ」 ナターリャ「そこ、うるさいよ」 ナターリャが苦笑いをするオーナーたちに指を指す。 今宮「はいはい、どうぞ続けてください将軍」 ナターリャ「SSS級のランカーMMSでさえ、恐怖で怯え、逃げ出すようなバトルロンドを!!」 すっとナターリャが手を掲げる。 ナターリャ「さあ・・・諸君、地獄を作るぞ・・・時間、合わせ・・・5・4・3・2・1・・今!作戦開始!!」 神姫たちがタイマーをセットする。 野木「リアクターに火を入れろ」 マキシマ「こちらマキシマ、機関始動」 ノザッパ「ノザッパ、出港します」 立花「アオイ、エンジンの暖気は?」 アオイ「へへへ、十分だぜ」 金川「ツラギ、錨を上げよ」 野木が呆れた顔でナターリャに聞く。 野木「おい、将軍閣下殿?作戦開始と言ったが、作戦名はなんだ?」 ナターリャ「ミッドナイトブルー」 野木「どういう意味だ?」 ナターリャ「ミッドナイトブルー (Midnight Blue) は色のひとつ、直訳すると「真夜中の青」となる」 野木「ほっ!そりゃぴったりの作戦名だな」 野木はシンと静まりかえった湖に照らし出され濃いブルーに包まれた湖を眺める。 ナターリャ「ミッドナイトブルーだ」 暗闇の桟橋から出港する・・・・艦隊を見送るオーナーや神姫たち・・・・ 23:30 アルファ艦隊は出港した。 それが見送るオーナーや神姫たちにとって最後に見た姿だった。 To be continued・・・・・・・・ 次に進む>・第5話 「night-5」 ? 前に戻る>・第3話 「night-3」 トップページに戻る
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与太話14 : 能力って何かね 怠惰って素晴らしいと思う。 だって私たち、武装神姫よ? 名前に「武装」なんてぶっそうな(武装がぶっそう……ぜんぜん面白くないわよ)言葉がついてるもんだから、レディの細くて長くてスラッとした素足にストライカーを履かされたり、か弱い細腕に機関砲を持たされたりするわけよ。 人工AIの倫理的問題がどうとかいう前に、レディにドンパチさせる人間の――特に男たちの正気を疑ったほうがいいわ、絶対。 ……なんて文句をつぶやいっターで発言でもしたら、私の根本的な存在意義を疑われるわけで、可哀想なホノカさんはこうして貸切の茶室で一人ダラダラするしかないのである。 怠惰って素晴らしいと思う。 週刊少年ジャンプを読み終え、特に用事もなくコタツでぬくぬくしている時間こそ、常日頃から戦闘を余儀なくされる私たちの唯一の癒しなのだ。 データで構成された茶室の外はちゃんと冬仕様になっていて、はらはらと舞い落ちる色づいた枯れ葉はそろそろ雪に取って代わりそう。 合わせて室内の気温も低いけど、それがコタツのありがたみをいっそう際立たせている。 前半身をコタツにつっこんで、ひんやり冷たいテーブルにほっぺを乗せて、さながらホットコーヒーにアイスクリームを乗せるような贅沢を味わえるのだ。 な~んにもしないで、ただ、ホカホカぬくぬく。 外で積もる枯葉が重なっていくほど私のまぶたも重くなってきて、うつらうつらと、夢の世界へ手を引かれていく。 何も考えずにその手を取って、スリープモードに入ろうとした、その時。 「突然失礼する。ゴクラクだ。セイブドマイスター殿は今週のジャンプを読まれたか?」 私たち武装神姫はどうやら怠惰すら許されないらしい。 ◆――――◆ 「そう嫌がらずともよかろう。今日は世間話をしに来ただけだ」 正方形のコタツの、私から見て右側に勝手に座り込んだゴクラクはテーブルの上にミカンヂェリーを2つ置いた。 コタツの中でストライカー具現化させて蹴り飛ばしてやろうかと思ったけど、ミカンを出されては仕方がない、今日のところは勘弁してあげよう。 キャップを開けて一口飲むと、温まった体の中に気持ち良い甘さと冷たさが流れていくのを感じられた。 私と同じく一口飲んだゴクラクはヂェリ缶を置いた。 「セイブドマイスター殿はめだかボックスを読まれているか?」 「は? あ、うん、読んでるけど」 「それは重畳。ところで今週号の話はどうにも納得し難い部分が多かったとは思われないか?」 今週号は第173箱、タイトルは『歌とはなんだ?』である。 ネタバレが嫌な人はここから先は読まないで欲しい。 ネタバレが嫌な人はここから先は読まないで欲しい。 ネタバレが嫌な人はここから先は読まないで欲しい。 「いきなり言われてもねぇ。……そうだ、あのサブマシンガン。あれ絶対おかしいわ」 外観、構造、威力、装弾数など、どれもイチャモンをつけたかった。 ピカティニーレールが付いてたから実在するものを参考にしたんだと思うけど、それならもうちょっと何とかならなかったのかしら。 素直にH K社のマシンガンにでもしとけばよかったのに(利権的な問題があるかは知らないけど)。 ひとたび思い返すと文句を吐き散らしたくなったので、丁度良い話し相手に言おうとしたのだけど、ゴクラクは「いや、それもあるがもっと別の部分だ」と遮った。 「何よ、どうせマンガだから銃火器の理屈なんてどうだっていいって? ピストル弾をしっかり連射できることがどれだけ素晴らしいか分かってないみたいね。あのね、サブマシンガンが重要視されたのはそもそも――」 「いや大丈夫だ、勿論心得ている。我はこれでもちょっとした神姫団体を管理する立場にあるが故、武装についての最低限の知見はあるつもりだ。我が問いたいのは黒神めだかが最後に使用したスタイルについてだ。我が共振を武器とすることを覚えておいでだろうか?」 「コノヤロウまた私に恥かかせたいらしいわね」 前回ゴクラクと会った時、自分の能力をひけらかすようにペラペラとしゃべって、チンプンカンプンだった私を置いて去っていった。 あの時の恨みがよみがえる。 また私をバカにしに来たのかコンチクショウ。 「世間話をしに来たと言ったであろう。そう興奮されるな。ほら、ヂェリーは如何か」 飲みかけだったヂェリーを勧められて、私はそれを一気飲みした。 ちょっと温くなってたけど甘さは変わらず私を癒してくれて、もうゴクラクのやつ早く言いたいこと言って帰ってくれないかなあと思うのだった。 「それで、黒神めだかとあんたが何だって?」 ◆――――◆ 「うむ、どうやら黒神めだかのスタイルが我と同じ共振を利用するもののようだ。言霊の力を利用するらしいスタイルとやらは本質的には喉から発せられる振動を利用するのであり、その振動を増幅させたり、また感情的にシンクロするという意味での共感も極めて有効であろう。そもそも何故共振という現象が発生するかというと、世の中に存在するシステムを数式化しようとすると二次遅れ要素とむだ時間要素に近似できる場合が多く、そのゲイン特性はある一つの周波数で増幅されるのだ。単純な鉄の塊で構成された機械であっても叩いてやればある周波数で顕著な反応が見られ、また様々な要素によって成る物であってもある一定の入力を与えてやればそこからむだ時間の後に反応が始まり、収束に向かうまでをデータ化することで固有振動数を分析することができる。勿論それらは単純ではなく誤差を多いに含むため理論通りに上手く事が運ぶことは皆無といってもよいが、逆に理論だけを語るならば共振とはさほど難しいものではなく、あくまでシステムのあるがままを表す現象なのだ。黒神めだか――いやめだかボックスの原作者も我と同様、そこに目をつけたのかもしれない。しかしだ。我が武器として扱えるのは『共振』であって『共感』とはまったくの別物だ。大辞林によると共感とは【1.他人の考え・行動に、全くそのとおりだと感ずること。同感。 2.他人の体験する感情を自分のもののように感じとること。 3.感情移入】とある。つまり『共感』が対象とするものは感情を持つ『者』であり、『共振』が対象とする感情を持たない『物』とはまったくの別物となる。まだ科学が発達していない時代の言い方をすれば有機物と無機物の違いだ。即ち我の見解としては、『共振』と『共感』を一つの能力として扱うことは不可能なのだ。いや、それができれば我も苦労しない、というところが本音なのだがな。武装神姫の頂点の一角とされる『デウス・エクス・マキナ』の一人とされておきながら泣き言を言うのは恥ずべきことだが、フィクションの自由自在さには敵わない。――フッ、このような情けない姿は部下の前には晒せない。セイブドマイスター殿はその点、相手の心を開く鍵となる『共感』の能力に優れているのかもしれないな」 ◆――――◆ 「……………………………………………………ふぁえ? あ、うん、そうね、あんたも大変ね」 「ご理解感謝する。長話にお付き合い頂きすまなかったが、我も少しは気が晴れた。これは余り物だが」 そう言ってゴクラクはミカンのヂェリ缶をさらにもう2本テーブルの上に出して、「では、また」と茶室を出ていった。 なんだか長々と一人でしゃべってたけど、結局あいつは何しに来たんだろう。 ま、被害もなかったしミカンヂェリーくれたし、どうでもいいか。 さてと、また充実した怠惰な時間を過ごしましょうかね。 先日ボークスに行ったら人魚型とかませ犬型神姫のリペイント版が山積みになってました。 それよりもっと売るべきものがあるだろうに……などとボークスや電撃に文句言ってもしょうがないのですが、もうバイク組の発売は絶望的かしら。 フランベルジュ、コルセスカなんてどうなっているのやら。 ガルガンチュアに至っては覚えてる人すらいないんじゃ……。 きっぱり諦めて忘れて、ストライクウィッチーズのマルセイユの発売を心待ちにしま――しょうかな? 15cm程度の死闘トップへ
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あらすじ 著 ユキ 舞台は2044年。相も変わらず平和な世界に一人の引きこもり少女がいた。 これはそんな引きこもりを克服しようと奮闘する少女と それを共に歩んでいく神姫の話―――― レールアクションや武装ランク等、様々な設定は『武装神姫 バトルマスターズMk2』をプレイしてみて考察したりそのまま引っ張ってきています。 なお、ゲームでは出ていないシステムが出たりします。 あと『武装神姫 バトルマスターズMk2』の時代設定は2041年ということにしてあります。 ※1-2にある本の内容に関しましては、ライドオン204xのあらすじから使わせていただきました ※4-3にて登場するミス・非常識についてはライドオン204xを参照 ※バリアに関しての補足説明といたしましては、通常神姫(またはリアライド時のマスター)が張ることの出来る緊急的なバリアが一般的なものになっています。クリティカルダウンの回避にしか役に立たないものでHPにダメージがいきます。 ※読んで頂いた方、できればコメントのほどよろしくお願い致します ※第十二話から読まれる方へ。11-3の最後に少しつけ足しました。第十二話から読まれる方は、そちらから読むことを推奨します 更新履歴 2012,6,5、 初投稿 2012,6,10、第二話出来ました 2012,6,10、人物紹介も載せました 2012,6,12、第三話出来ました。ちょっと2が長いです 2012,6,14、第四話出来ました。初バトルです 2012,6,16、第五話出来ました 2012,6,17、第六話出来ました。全体的にちょっと長いです 2012,6,19、第七話出来ました 2012,6,21、第八話出来ました 2012,7,8、 第九話出来ました 2012,7,14、第十話出来ました。今度は3が長いです 2012,7,24、第十話を修正しました 2012,8,2、 ちょこっと修正してみました 2012,8,3、 第十一話出来ました 2012,8,9、 第十二話出来ました 2012,8,9、 最終話出来ました 2012,8,19、全体的に場面変更線を入れました。内容は変わってません(10―3が変に途切れていたのを修正しました) 登場人物紹介 引きこもりと神姫 第一話・引きこもりデイズ1 2 3 第二話・襲撃者1 2 その夜の話 第三話・逆さまの神姫1 2 第四話・それは卒業試験なの1 2 3 第五話・νタイプ1 2 第六話・等価交換1 2 3 第七話・くるっと回って一回転1 2 3 第八話・持たざるもの1 2 3 第九話・再会と不調の間奏曲1 2 3 第十話・斬鉄剣の伝承者1 2 3 第十一話・真夏の雪1 2 3 第十二話・終わりと始まり1 2 3 最終話・私たちの未来これからの話 9月1日 おまけ 本日 - 昨日 - 総合 - ご意見ご感想など、どんどん書いて下さい! -- ユキ (2012-07-12 00 58 30) テンポが良くて読みやすいです! -- 神姫中毒 (2012-07-12 09 42 23) ひさしぶりに来れたら面白い作品が始まってて、得した気分です、切り口が又良いですよね〜楽しみにさせて頂きます -- ナナシ (2012-07-12 19 20 23) おお! 嬉しい限りです! まだまだ至らぬ点はありますが、よろしくお願いします! -- ユキ (2012-07-13 14 53 38) 10話を修正しました。ちょっと調子に乗ってやりすぎてしまいまして、すいませんでした -- ユキ (2012-07-24 14 23 12) いい小説ないかなーと探していたら神作品を見つけてしまった!やばい!おもしろすぎ!次回の話も期待してます! -- しおん (2012-07-27 09 50 20) 読みやすくて良いですが、6-3や7-2で同じ場面を別視点から書く時に、視点が切り替わったことを示す印がないとわかりづらいかなと感じました。 -- 名無しさん (2012-07-30 22 32 48) なるほど、貴重な意見ありがとうございました。まだまだ未熟故、ご指摘いただける点は色々あると思いますが、これからも読んで頂ければ幸いです -- ユキ (2012-08-01 19 43 48) 一応同じ場面を別視点で書くところに印(?)を入れてみました。他の視点変更点は何もつけてませんが、つけた方が良いですか? -- ユキ (2012-08-02 12 07 58) 上の印のことを書いた者です。分かりづらかったようなので私の好きなトミすけ氏の作品『ウサギのナミダ』を例に挙げます。1-1を読んでいただくと■や◇などが入っており、それらが入るたびに別の視点に切り替わっています。今回の修正のように露骨に誰々の視点と書く必要はありませんが、修正前の状態だと似た内容の文が不意に繰り返され読者が混乱する恐れがあると思います。(私もよく読むまで間違えて同じ文を挿入してしまったと思ってました・・・) ということが言いたかったのですが言葉が足りなかったようで申し訳ないです。長々と失礼しました。 -- 名無しさん (2012-08-02 18 31 16) 十一話の投稿、お疲れ様です。朱野君の言動が微笑ましいです。季節外れの雪とそれを不思議に思わない人々、謎が謎を呼ぶ展開で続きが楽しみです。 -- 名無しさん (2012-08-03 22 15 44) 楽しく読ませてもらってます~ 10-3 斬鉄剣のネタばらし部分なのですが、「不可」をかけたになってますが「負荷」じゃないでしょうか?お節介ですいません・・・>< -- 神姫中毒 (2012-08-06 11 52 10) ホントだ、間違ってる……。ご指摘ありがとうございました。他にも誤字、脱字等ありましたら、ご指摘していただけると有難いです -- ユキ (2012-08-06 21 42 02) 完結しない作品が多い中、凄まじいペースでの最後までの完走、お見事です。ただ一つ・・・12-3の最初のほうの「いいわけ…」の後、恐らく変換ミスだとは思いますが、ここだけは間違えちゃあいけねえ・・・! -- にゃー (2012-08-09 22 45 34) 完結お疲れ様でした〜、泣いて良いですか?神様の粋な計らいの仕業で私の涙腺決壊状態です(T^T)良い話をありがとうございました -- ナナシ (2012-08-10 01 43 29) むぅ…これは負けてられない…弟に負けっぱなしにしとくわけにはいかぬ -- rotto (2012-08-10 02 10 07) 祝完結!!見事なまでの完成度にウるっと来ちゃいました! ユキ先生の次回作にごきた・・・あれ? -- 神姫中毒 (2012-08-10 10 07 58) うっほうっ、最後の最後で誤変換してしまった。あそこでのミスはかなり痛い。ちゃんと修正しときました -- ユキ (2012-08-10 10 53 22) 完結おめでとうございます。凄まじい更新スピードでしたね、それでも手抜きは無く漫才・戦闘・成長の描写がしっかりしていました。学校に行った彼女がどうなったか…期待してもいいんですね! -- 白田黒乃 (2012-08-10 16 22 11) たくさんのコメント、ありがとうございます! 白田黒乃さん あなたの作品も読ませていただいています。次回作は製作予定です。流石に樹羽を高校に行かせてENDって言うのもアレですし、まだ色々解決してませんから。 -- ユキ (2012-08-10 23 06 38) 引き神完結お疲れさまでした!・・・これは泣くほどいい作品でした!文章力やばいですね!もしこの話の続きをやるならまたみさせてもらいますね!ともかく、お疲れさまでした!・・・自分も書こうかなぁ -- しおん (2012-08-13 01 05 20) 名前 コメント
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第1部 戦闘機型MMS「飛鳥」の航跡 第3話 「牙兎」 ワシ型がニヤニヤしながらエーベルの肩を叩く。 ワシ型「ヘイッ!!エーベル!こんな寒いのに寒中水泳か?うひひひ」 エーベル「うるせえよ!」 エーベルはずぶ濡れになってハンカチに包まっている。 斉藤「えーと、なんか私が席はずいている間にバトルしていたということかしら?」 斉藤は首をかしげる。 アオイ「そういうこと」 立花「すみませんね、なんか成り行きで・・・」 立花はぺこぺこ頭をさげる。 エーベル「ふん、少しはやるようだな」 アオイ「鼻水たらしていうセリフじゃねえな」 エーベルはよくみると鼻から雫が垂れていた。 エーベル「!?ぶッ、うるせえ!」 ちんとハンカチで鼻をかむとエーベルはいきり立った。 エーベル「俺を倒せたからっていい気になるなよ!この神姫センターにはな、とんでもない化け物神姫が来るんだからな!」 アオイ「・・・・・・・・定期便か」 アオイはギロリとエーベルを睨む。エーベルはちらりと時計を見る。 時刻は午前11:59をさしている。 エーベル「そろそろだな・・・」 カチリと時計が12:00、正午をさすと同時にサイレンが鳴る。 ウオオオオオンノンオンオンンオオオンンンオンオンオンオンオン・・・・ ワシ型がばっとヘルメットを引っつかみ武装を装着する。 ワシ型「きやがったな!」 昼寝をしていたエウクランテ型がガバッと飛び起きてバカみたいにでかい大砲を引っさげる。 砲台型が磨いていた大砲をリアパーツにすばやく装着する。 エーベル「定期便の意味を教えてやるよ、定期便ってのはな、全長650mmを越す大型の戦艦型神姫がな、爆弾を満載して爆撃に来るんだよ」 アオイ「戦艦型神姫ッ!?」 戦艦型神姫 大型の艦船タイプの神姫の一つであり大砲を主要兵器とする武装神姫のうち、最大最強のものを指す。最も強大な砲力と堅牢な防御力を備えバトルロンドでは戦艦型神姫が出現しただけでその巨体と大火力と重装甲からなる圧倒的な戦闘能力で、神姫たちがパニックに陥り、逃げ出すほどであった。 また遠距離からの艦砲射撃を主軸とした攻撃は強烈で砲台型神姫1000機に相当するとも言われている。 エーベル「しっぽ巻いて逃げるなら、いまのうちだぜ」 エーベルはバイザーを深くかぶり武装を装着する。 アオイ「ふふ・・・あはっはははは!!」 アオイは大きな声で笑う。 エーベル「ッツ!?な、なんだこいつ!」 アオイ「人間狩りを超える狩りはない。武装した人間の狩りに長年携わり味を占めた者は、他の獲物への興味を失う」 エーベル「・・・・・・・なんだそりゃ?」 アオイ「ヘミングウェイだよ、勝利の味は格別で、単純な狩では得られない満足感がある・・・」 アオイの眼が赤く怪しく光る。 アオイ「さあ、バトルロンドを始めよう。何百、何千、何万と続く終わらない戦いの旋律を・・・・・」 立花がパチンとアルミ製の小さな箱を開ける。 エーベルの眼が見開かれる。 エーベル「ちょ・・・おま・・・それは・・・」 アオイ「俺はケダモノだ。強くて大きな牙を持っている」 アオイはにやっと笑う。 大阪城外堀、水上ステージ 大阪城の外堀の一部をそのまま武装神姫の水上ステージとして、利用したステージで障害物として杭や半壊したボートなどが置かれている。 ズズズズズ・・・ 低い重低音を奏でながら、3隻の巨大な灰色の塊が水面スレスレを航行する。その周りには長い槍のような武器と細長い四角形の大砲を構えた武装神姫が数機、編隊を組んで灰色の塊を護衛している。 チーム名「あああああああ」 □重装甲戦艦型MMS 「ドセットシャア」 SSクラス 二つ名「キャノン・ワールド」 オーナー名「細田 勇」♂ 27歳 職業 統合商社営業マン □重装甲戦艦型MMS 「スーザン」 SSクラス 二つ名「アイアン」 オーナー名「西野 公平」♂ 28歳 職業 統合商社営業マン □重装甲戦艦型MMS 「ウォース・パイト」 SSクラス 二つ名「オールド・レディ」 オーナー名 「和田 真由美」 ♀ 29歳 職業 銀行員 □邀撃戦闘機型MMS 「アラキナ」 Sクラス オーナー名 「深田 京子」 ♀ 23歳 職業 公務員 □邀撃戦闘機型MMS 「デボラ」 Sクラス オーナー名 「渡部 雅行」 ♂ 25歳 職業 不動産営業員 □邀撃戦闘機型MMS 「ジャネット」 Sクラス オーナー名 「福島 紀之」 ♂ 27歳 職業 出版社員 □邀撃戦闘機型MMS 「カリーヌ」 Aクラス オーナー名 「今西 麻耶」 ♀ 14歳 職業 中学生 □邀撃戦闘機型MMS 「フラヴィ」 Aクラス オーナー名 「渡部 由里」 ♀ 17歳 職業 高校生 □邀撃戦闘機型MMS 「ケイト」 Sクラス オーナー名 「大久保 蘭」 ♀ 17歳 職業 高校生 ドセットシャアがチカチカと艦橋の端にあるLEDで発光信号を発する。 スーザンがそれに答えるように発光信号で答える。 デボラ「無線封鎖!敵の襲来にそなえろよ」 ジャネット「へっ!!今日も暴れまくってやるぜ」 フラヴィ「今日は戦艦型が3隻!!負ける気がしませんね」 ケイト「うんうん、みんなベテランの神姫ばっかりだし」 カリーヌ「去年はひどい目にあったし・・・アスカ型には要注意だ。各機、アスカ型との格闘戦闘を禁ずる」 アラキナ「アスカ型は旋回性能に優れている。戦う場合は2機1組を徹底すること!」 デボラ「アーンヴァルタイプにも気をつけろよ、連中、でっかいブラスター砲で戦艦を狙ってくるぞ」 ケイト「戦艦型神姫1個艦隊に邀撃機型神姫2個小隊・・・堂々たる布陣ですね」 邀撃機がべちゃくちゃと喋りまくる。 重装甲戦艦型MMSのウォース・パイトがのそりとぼやく。 ウォース・パイト「・・・・・・今日もいつもの定期便だ。さっさと爆弾と砲弾を撃って大人しく帰りたい」 和田がもしゃもしゃとコンビニで買ったオニギリを食べる。 和田「もぐもぐ、パイトー気楽に行きましょう。今日はポイント稼ぎの作業だし、敵チームもおいそれと積極的な攻撃をしてこないでしょ」 ウォース・パイト「・・・うーーん・・・」 ウォース・パイトはからっと晴れた雲ひとつない空を見上げる。上空には太陽がまぶしく光る。その中に小さな黒い点が一つちらつく。 ウォース・パイト「・・・・・・太陽の中に何かいる・・」 和田「うん?」 和田はオニギリをほおばりながら筐体を注視する。 キュイイイイインン・・・・ □戦闘機型MMS 「アオイ」 Aクラス オーナー名「立花 一樹」♂ 24歳 職業 事務機営業マン アオイがFB256/Z 3mm滑腔砲をランドセルに引っさげて戦艦型神姫の艦隊にまっしぐらに突っ込んでくる。 ウォース・パイト「敵戦闘機ッ!!!!!!!!!」 ウォース・パイトが怒鳴ると同時にアオイはFB256/Z 3mm滑腔砲の引き金を振り絞った。 アオイ「イヤッハッーーーーーーーーーーーーーーー!!」 To be continued・・・・・・・・ 前 トップページに戻る
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3ページ目『フィギュアじゃない』 「ごめんなさい。私はちゃんと玄関からお邪魔しなきゃ、って言ったんですが、この疫病猫が」 「仲間を売って自分だけ助かろうとするとはオマエ、それでもキャッツアイの一員かにゃ。やれやれ、3rd素体の神姫は、猫を敬うこともできないシケた連中ばっかりにゃ」 「貴様がキャツアイを脱退すればいいだけのことだ。難しいことはない」 「にゃんという暴言! 聞きましたかヤンデレお嬢さん。最近さーほむほむがワガハイに冷たいんにゃよー」 「ヤンデレって私のこと? ねえ私のことなの? って、そんなことより――」 時折、弧域と鉄子の話し声が聞こえてくる孤独な部屋は、三人の闖入者の登場により急に騒々しくなった。 引っ越してきて三年目になるこの部屋は未だ、弧域ですら侵入を許されたことのない姫乃の聖域である。人当たり良く素直で通っている彼女(例外あり)でも、部屋の至る所に隠してある有害図書や器具などの秘蔵物の発覚を恐れたりと、他人に踏み込ませない領域というものは人並みにあるのだ。 しかし姫乃は闖入者の姿を見て興奮するあまり、秘蔵物のことなどすっかり忘れ、闖入者達を抵抗なく迎え入れてしまった。自分は机に着いて、三人を机の上に上げてじっくり観察しようと、目を皿にした。 「あなた達って武装神姫、よね? どうして動いてるの? もしかして昔作ったフルラドスの魔法陣で召喚された使者じゃないの? あれは自分でも傑作だって思ってたくらいだもの、他に考えられないわ! そうなんでしょ!」 窓を閉め、弧域とおそろいの電気ストーブのスイッチを入れても、一度冷やされた部屋はそう簡単に暖まるものではない。しかし姫乃は、自分の手がかじかみ動かないことすら、もう眼中に無かった。 恐怖心が綺麗サッパリ霧散した後も、心臓はまだバクバクと鳴りっぱなしで、姫乃は無意識に胸を押さえていた。机の上に立ち、人間のように動き、言葉を自在に話す人形に心をときめかせずにはいられなかった。 主に中学生時代に夢見て、今目の前にいる【異界からの使者】。数年が経過した今であっても、それは姫乃の好奇心をこれ以上無いくらいくすぐった。 「ワガハイ達神姫は立派な科学の結晶にゃ。魔法陣にゃんて痛々しいモノにお呼ばれされた覚えはにゃい」 「うんうん! そうよね、簡単に秘密をしゃべるわけにはいかないものね。大丈夫よ、私はその辺りはちゃんと心得てるつもりだもん」 猫型の武装神姫、マオチャオにキッパリと否定されても、姫乃は肩を落とすどころか、むしろ謎が深まったことを喜びさえしてしまう。まったく未知の3体に触れようとする手を抑えるのにも、早くも限界が訪れそうだった。興奮しすぎてみっともなく鼻息を荒くしていることにさえ気付けないでいる。 ただし。語尾を「にゃ」に変えて話すマオチャオはカタログで見られるようなごく普通の武装神姫だが、姫乃は頭の隅で冷静に (実物は随分とバカっぽいのねえ) という第一印象を受けてもいた。 「レーダーを扱えるのが貴様だけ、というのが問題だな。おかげで俺は貴様に振り回されざるを得ない。しかし使い方を覚えるのも面倒だな……」 ほむほむと呼ばれた神姫も同じくマオチャオだが、言葉遣いだけでなく見た目も「にゃ」のマオチャオとは異なっていた。額に白く無骨なシールドを被り、大きな目の上半分までを隠すように覆うことで目付きが悪く見えてしまっている。胴体も、戦車の装甲のような装備で覆われ、さらに背面には巨大なハンマーがたすき掛けされており、このマオチャオの戦闘への意気込みが見て取れる。しかし脚部だけは何故か、スポーツカーを思わせる真紅の端麗な装備が使用されていて、無骨な上半身に流麗な下半身と、全体的なバランスは大きく損なわれている。 「あの空間に少人数で飛び込むのだけは避けたいですし、カグラの暴走はレーダーとデコイを得る代償と考えるしかなさそうです」 もう一体、部屋に入って最初に姫乃に侘びを入れた神姫はマオチャオではなかった。弧域が飾っているそれと同じ金髪蒼眼の戦乙女型、アルトレーネである。物々しくも洗練された全体的なシルエットを、白と青のコントラストがさらに凛々しく引き立てる豪奢な武装。バイザーを上げたヘルメットが何よりも戦乙女らしさを醸し出しているが、そのヘルメットの頭頂の隙間から何故か、ピョコンと三角形の耳が覗いていて、すべてを台無しにしてしまっている。 三者三様の人形。小さくて可愛らしい、と言うには着飾っているものが少々物々しいが、武器や防具といった日常とはかけ離れた物が、姫乃の妄想をいっそうかき立たせた。 (すごい、すごい、すごいっ!) 見覚えのあるマオチャオもアルトレーネも、実際にそれらが動いているとなれば、姫乃の目にはとにかく素晴らしいものに見えた。なにせ【召喚した妖精や悪魔の類が武装神姫の体を借りて動いている】らしいのだから、召喚の触媒になり得る武装神姫に、興味を持たない理由はない。黒歴史を葬るために切り刻み灰と帰したノートですら (私のバカ、なんで捨てちゃったのよ) と今更になって惜しむ始末である。 「ねえ、少しでいいから、触っていい?」 「ううん、やっぱりマスターと同じように、本当に神姫のことを忘れてしまってるみたいですね」 「目覚めた神姫に触れれば記憶が戻るかもな――よし、心ゆくまで触っていいぞ」 「待つにゃほむほむ。こういう時は普通、自分の体を差し出すものじゃにゃいか。何の躊躇も無くワガハイを差し出そうとするとはアレかにゃ、ワガハイの体は俺の物っていうジャイアニズムに目覚めたのかにゃ」 「あなた達、ジャイアンのこと知ってるの!? そ、それってもしかして、アカシックレコードから引用して、たり?」 「なんだか私、この方に上手く説明できる自身がないんですけど……」 アルトレーネの「説明」という言葉を聞いた姫乃は、椅子の上でサッと姿勢を正して身構えた。異界からの来訪者は、まず召喚者に事情を説明する暗黙のルールがあり、召喚者はそれを聞かなければならない――という【設定】を、忠実に守るためである。彼女の心はもう立派な召喚士のそれへと変貌していた。 「なんでも話して。私、あなた達がどんなに不思議なことを話しても絶対に否定しないから」 「既に変な方向に誤解されてるみたいですが……分かりました。私達も状況をすべて知ってるわけではないので、あまり鵜呑みにしないで下さいね」 コホン、とひとつ咳払いしたアルトレーネはスカート状のアーマーを折りたたんで、その場に姿勢良く座った。ハンマーを持ったマオチャオも、その隣に片膝を立てて腰を下ろした。もう一匹、「にゃ」のマオチャオは姫乃に指で喉を撫でられ、ゴロゴロと喉を鳴らして一人悦に浸っている。 「まずは自己紹介としましょう。私はアマティといいます。こっちのクールなマオチャオがほむほむで――」 「俺の名はホムラだ」 「その馬鹿っぽいのがカグラです」 「馬鹿とはにゃんにゃふにゃあああん♡ そ、そこはだめにゃああぁああ♡」 姫乃の十指による技巧にされるがままのカグラは、最後のプライドを振り絞って拒絶の言葉を吐き出すも、表情も体も既にとろけきっていた。 カグラを弄びつつも、姫乃は一言一句聞き漏らすまいと真面目に耳を傾ける。 「これはこれはご丁寧に。私は一ノ傘姫乃っていいます」 「初めまして一ノ傘さん、と言いたいところですが、実は私達――」 「やあねえ、姫乃って呼んでよ。私達の仲じゃない」 「仲? ……いえ、確かに『実は私達、お会いしたことがあるんです』って言おうとしましたけど、せいぜい顔を合わせたことがあるってくらいで、そこまで親しいわけじゃないです」 「【猫戦乙女の憂鬱】の最終話で会ってるにゃ」 「貴様は黙ってろ」 「そうなの……残念」 「兎に角、まずこれだけは認識して下さい」 力を込めたからか、アマティのヘルメットからのぞく三角の耳がピンと尖るように立った。その耳に手を伸ばしたいけれど話の邪魔をするわけにはいかないと、一人葛藤する姫乃だった。 「私達神姫は、姫乃さんと同じように心を持ってます。妖精だか何だかが取り付いたフィギュアなんかじゃなくて、CSCとこの頭、コアによって見たり聞いたり感じたり考えたりできるMMSなんです」 ■キャラ紹介(3) カグラ 【 2/2 】 彼が幽鬼のような表情で帰ってきた理由を、留守番をしていた次女達はすぐに知ることとなった。彼が鞄から机の上に出したモノ、それは変わり果てた長女だった。 彼が帰ってくるまで騒々しくケンカをしていた次女達が絶句する中、彼はパソコンを起動し、メンテナンス用アプリケーションを立ち上げた。そして淡々と、収集した画像を整理するような無感動さで、次女達のオーナー登録を次々と抹消していった。混乱の極地にある次女達にはもう、彼のやっていることが理解できなかった。 呆然と立ち竦む次女を荒々しく掴んだ彼は、無造作に胸のカバーを開き、CSCを抜き取った。心を失った次女は、内部に精密機器が詰まっているだけの人形となった。だから、自身がゴミ箱へ放り投げられたとしても、反応することはない。 「ひ……」 机の上に散らばっていた【長女だったモノ】も片付けた彼の手が、三女に伸びた。 「ひゃあああああああああっ!?」 三女が駆け出すより速く、彼の手が伸びた。乱暴に掴まれた三女はありったけの力で暴れ、彼の手に噛み付いた。小さいとはいえ戦闘できるよう作られた神姫の力は強く、肉を噛み千切り、力尽くで手の中から逃れることができた。三女の身体が床へ自由落下する。しかし、その床へ到達するまでの時間は、三女にとってあまりに長すぎた。着地の瞬間、床と彼の足裏の間で押し潰された三女からはもう、CSCを抜き取る必要もなくなっていた。 足裏に鋭い痛みが走ることで、僅かに我を取り戻した彼は、荒い息を吐きながら部屋の中を見回した。 四女と五女は姿を消していた。 次ページ『アマティ、キレる』 15cm程度の死闘トップへ
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キズナのキセキ ACT0-6「異邦人誕生 その1」 ◆ あの暑い夏の日以来、『ポーラスター』には行っていない。 武装神姫の雑誌も手に取りはしなかったし、ネットで情報を集めることも、いや、ネットにつなげることさえしていない。 放課後は時間が余った。 クラスの友人たちが、男の子と一緒の集まりに誘ってくれて、一度は参加したが、気が晴れることはなかった。 二度と参加する気はなかったし、誘われることもなかった。 学校には黙々と通い、勉強したから成績も上がったが、だから何の意味があるというのだろう。 あれから三ヶ月たった。 あの暑さの面影はどこにもなく、冬の足音が聞こえてきている。 だが今も、心の傷は癒えることなく、疼き続けている。 とても大切なものを、一番大切な人に壊された。 久住菜々子は今も笑えないままでいる。 ◆ 久住頼子はため息をつき、孫の様子を眺めている。 唯一の孫であり肉親でもある久住菜々子は、自室の机に向かって宿題を黙々と片付けている。 菜々子は、中学二年の秋の様子に逆戻りしていた。 笑わなくなった。 いつもやぶにらみで、誰も信用しない。 話をするのも、クラスで仲がいい数人と、頼子くらいだった。 美貌に影を落とし、近寄りがたい雰囲気を放ち続けて、もう三ヶ月が経つ。 頼子は考えを巡らせる。 そろそろ何か手を打たなくてはならない。 高校時代は短く、しかしまばゆい輝きを放つ、かけがえのない青春の時間だ。 それをこんな風に暗い色で塗りつぶしては罰が当たろうというものである。 ここは、孫のために一肌脱ごう。 そう心を決めると、頼子は腕まくりして、肩をいからせた。 ◆ 「あなたにプレゼントがあるのよ」 「……またそのパターン?」 菜々子が呆れて、深いため息をつく。 だが、頼子には全く悪びれる様子がない。 「あらー、覚えててくれたのね」 「頼子さんのお節介に付き合ったのはあれが初めてだったから、印象深くて」 「じゃあ、わたしが何を出してくるのかも当ててみる?」 「そんなの、言うまでもないわ」 にこにこ顔の頼子に対し、菜々子はこれ以上はない仏頂面だ。 この状況で頼子さんからのプレゼントと言ったら、武装神姫以外にはあり得ない。 菜々子が落ち込んでいたこの間にも、頼子さんは飽きもせずに神姫センターにせっせと通い、ファーストリーグへと昇格していた。 菜々子は今さら神姫のオーナーになる気はなかった。 ミスティこそ、自分のただ一人の神姫だと信じていた。しかし、そのミスティはもういない。 「まあ、武装神姫なんだけど。とりあえず見なさいな」 答えは予想通り。いや、予想するまでもない、決まりきった答え。 だが、頼子さんがちゃぶ台の上に置いた箱は、菜々子の想定外だった。 「これ……見たことない」 「菜々子がしょぼくれてる間に、新発売になったのよ。新規参入、オーメストラーダ社の最新型」 汎用性の高さ故、多くのマスターたちが好んで使っている、フロントライン社のストラーフやアーンヴァルとは明らかに異質な武装。 装甲は流麗なカーブを描き、タイヤが全部で三つ装備されている。 ハイマニューバ・トライク型 イーダ……それがこの武装神姫の名前だった。 真新しい神姫を前に、興味がないと言ったら嘘になる。 どうしても止められない胸の高鳴りは、二年あまりの間、毎日培ってきた武装神姫への興味のたまものだ。 しかも、自分が知らない新製品である。 触れてみたいと思わない方がおかしい。 だが、喜んで触ってしまっては、頼子さんの思うつぼだった。 今回は、中学生の時のようには行かない。 「……いらないわ」 「……そう? 言い忘れてたのだけど」 頼子さんが不適に笑った。 「この神姫のコアは、ミスティのものに換装してあるわよ」 その一言に菜々子の心は射抜かれた。 ミスティはマグダレーナに完膚無きまでに破壊されたが、コアは比較的無事に残っていた。 だからといって、新しい神姫にそのコアを移植する気にはなれなかった。 そうこうしているうちに、このお節介な祖母が、勝手にコアを換装してしまったというのだ。 お節介にもほどがある。 そう思いながらも、菜々子は努めて平静を保ちながら、イーダの入った箱をいそいそと自室に運んだ。 頼子さんはお茶を飲みながらほくそ笑んでいたようだが、気にしないことにした。 ◆ 期待と不安を、心に入り交じらせながら、菜々子はセッティング作業を行う。 ミスティが使っていたクレイドルは、この三ヶ月の間に埃だらけになっていた。 菜々子は埃を丁寧に拭うと、箱の中からイーダ型の素体をそっと取り出し、クレイドルの上に乗せた。 紫色のロール髪が可愛らしい。 菜々子は久しぶりに少し胸を高鳴らしながら、PCから登録画面を呼び出す。 おなじみのオーナー登録。イーダ型の口から流れる声に少し戸惑う。 登録作業はスムーズに進み、ついにイーダ型が起動した。 瞳に光が宿り、ちょっと気が強そうな表情で、菜々子を見上げてくる。 「あなたがナナコね?」 「え? ……ああ、そう……だけど……」 「もっとちゃんとして、わたしのマスターなら。……はじめまして。わたしはミスティ。これからよろしくね」 菜々子は面食らった。 なんだ、この神姫は。 わたしは今さっき、確かに、オーナーの呼び方を登録したはずだ。 「ちょっと……わたしの呼び方は、マスターで登録したはずだけど」 「いいじゃない。名前で呼んだ方がフレンドリーで」 菜々子はミスティの物言いにカチンと来た。 そして、心に失望が満ちる。 この神姫はミスティじゃない。断じて、ない。 ミスティのコアを使っているとはいえ、ヘッドもAIも新調されている。おまけに別機種だから、基本の性格設定もストラーフのミスティと同じになるはずがない。 そんなことは分かっていた。 だが、菜々子には淡い期待があった もしかしたら、ただ素体が換装されただけで、正確も記憶も受け継いだミスティが起動するのではないか、と。 淡い期待は粉みじんに撃ち砕かれた。 ミスティはわたしを呼び捨てにしたりしない。 ミスティはこんな口調でしゃべったりしない。 ミスティは生意気に口答えしたりしない。 ミスティはこんな居丈高な態度をとったりしない。 「ふざけないで」 自分でも驚くほどに暗く、寒々とした口調。 そして本心をオブラートに包むことなく口にする。 「あんたがわたしの神姫だなんて……絶対に認めない」 それを聞いたミスティの両目が見開かれ、絶望に暮れた顔を見せたが、菜々子は無視した。 すると形のいい眉を釣り上げ、果敢にも、生意気にも、ミスティは言い返してきた。 「わがまま言ってんじゃないわよ! ちゃんと電子頭脳に登録されてるんですからね! オーナー登録したのはナナコだって!」 「だから、勝手に呼び捨てするなって、言ってるでしょう!」 「別にいいでしょ! わたしがそう呼びたいんだから!」 「よくない! ちゃんとマスターって呼びなさいよ!」 「ふーんだ、ナナコ、ナナコナナコ!」 「こっの……わがまま神姫!」 二人の口論は延々と続いた。 これが菜々子とイーダのミスティの出会いの夜だった。 ■ 「わたしたちは決して良好な関係で始まったわけじゃなかった。むしろ最悪だったわね。二人とも意地っ張りだから、お互いの主張は平行線で、歩み寄る様子もなかったわ」 ミスティはまた苦笑する。 いつもの自信に溢れた笑いではなくて、どこか陰のある笑い方。 「でもね……わかる? 起動してすぐ、『自分の神姫として絶対に認めない』って言われたときの気持ち……。 あれはキツかったな。起動していきなり、絶望に突き落とされた気分だった。 だから、怒りを奮い起こして、懸命にすがりついたの……ナナコに。 あの日から、わたしの戦いが始まった……初代のミスティに挑む戦いが」 もうやめて、とわたしは言いたかった。 ミスティがコアの内に秘めている過去の記録を、無理矢理聞き出しているような気分だった。 ミスティにとってつらい思い出なら、これ以上話さなくていい。話すべきじゃない。 でも、わたしは言えなかった。 ミスティはわたしを見つめながら話していたから。 わたしは彼女の話を聞かなくてはならない。親友として。その責任を果たすために、彼女の言葉のすべてを聞かなくちゃいけなかった。 ◆ 一週間ほど後、菜々子はミスティを連れて『ポーラスター』へ向かった。 気に入らないとはいえ、武装神姫を手に入れたのだ。 つまり戦う手段を再び手にした……お姉さまとその神姫に挑む手段を。 菜々子の意志は、昏い情念に燃えていた。マグダレーナを破壊し、お姉さまに復讐する。わたしと同じ気持ちを、お姉さまにも味あわせる。 そのためには、この生意気な神姫を強くしなくてはならない。たとえ気に入らない神姫であっても、今はわたしの武器だ。 「……久住ちゃん……久しぶり」 「ご無沙汰でした、花村さん」 『七星』のリーダー格である花村耕太郎は、菜々子を心から心配そうに出迎えてくれた。 「大丈夫なのかい?」 「ええ」 「……ほんとうに? 無理してないかい?」 「大丈夫ですから、今日から復帰です」 菜々子は少し苛立ちながら、言い切った。心配してくれるのはありがたいと思うが、腫れ物に触るような態度は、菜々子の望むところではない。 むしろ花村は、菜々子の態度に、さらに心配を深めていた。 菜々子は笑わない。まるで、初めて『ポーラスター』に来た頃の……『二重螺旋』を結成する前の『アイスドール』そのものだ。 笑顔が絶えなかった菜々子の心は、初めて出会った頃に逆戻りしているのではないか。 その原因が、菜々子を笑顔にしていた理由……桐島あおいなのだろうから、なおさらやりきれない。 だが、菜々子の深い絶望は、花村の想像を超えていた。 久しぶりのバトル、その第一戦から、菜々子の怒りが炸裂した。 「なにやってんの、あんた! そんな動きも出来なくて、勝てるわけないでしょうが!」 菜々子の神姫は、今話題のオーメストラーダ社の新型だ。 起動して間もないのだろう、武装もセッティングもノーマルのままであることは伺い知れる。 にもかかわらず、菜々子はかつての愛機・ストラーフのミスティ同様の戦い方を強要した。 もちろん、そんなことが出来るはずもない。 大型の副腕を持つイーダ型は、ストラーフ型と似ているから対比されることも多いが、戦い方は全く異なる。 そもそもイーダ型の副腕は独立稼働しないし、ストラーフのような頑健なレッグパーツがあるわけでもない。 イーダ型の特長は、それらを補ってあまりある、トライクの高機動性と変形機構にある。 それを生かさずして、バトルでの勝利は望めない。 しかし、菜々子は、ふがいない戦いを続ける彼女の神姫を罵り続けた。 的確な指示も出さないくせに、試合に負けたことをすべてミスティのせいにする。 ミスティはいちいち菜々子に食ってかかり、二人は激しい口論を繰り広げる。 そして、必ず最後に、 「あんたがわたしの神姫だなんて、絶対に認めない」 まるで決めゼリフのように言って、ミスティを黙らせた。 これには『ポーラスター』の常連たちも、辟易した。 自分の神姫にそんな言葉を、衆人環視の中で堂々と投げつけるなんて、ありえないことだ。 自分の神姫を虐げているとしか思えない。 今の菜々子は実に見苦しかった。 ◆ 「起動したばかりの神姫で、そんな戦い方は無茶だ。わからない久住ちゃんじゃないだろ?」 「そんな生ぬるいこと言ってちゃ、お姉さまには勝てない」 花村が諭す言葉を菜々子はまるで意に介さない。 花村の心配は的中していた。 菜々子はにこりとも笑わない。バトルスタイルは、勝利優先に逆戻りしている。 まるで初めてあった頃の菜々子のようだ、と花村は思い、いや、と首を振った。 もっとひどい。 瞳は昏い情念に燃え、心は復讐にとりつかれている。姉と慕った人を倒すことしか頭にない。 それを自らの神姫に押しつけ、痛罵する。 今の菜々子は見るに耐えない。 このままでは、次の『七星』候補などと言うことはできなくなる。 花村は呆れたように吐息をつくと、どうしたものかと思案した。 □ 「その直後だな。菜々子ちゃんが初めてこの店に来たのは」 日暮店長がミスティから話を引き継ぐ。 「花村くんが連れてきたんだ。エルゴに集まる常連さんたちはくせ者ぞろいだから、菜々子ちゃんにもいい刺激になるかも知れない、ってな」 肩をすくめて言う店長に、ミスティは苦笑した。 「まあ……それでわたしは大変な目にあったわけ。今思い出しても、我ながらよくやったと思うわ」 店長もミスティを見つめて苦笑した。 この店でも何かあったらしい。 ミスティと出会った頃の菜々子さんは相当荒んだ性格だったようだ。 さもありなん、と思わないでもないが、今の菜々子さんの姿からは想像するのが難しい。 実際、ミスティの話を頭の中で想像しようとしても、できなくて困る。 大城も同様だったようで、俺たちは二人して首をひねっていた。 ◆ その客は、あまり乗り気そうじゃない少女の手を引いて、強引に店に入ってきた。 「店長、こんにちは」 「いらっしゃい、花村くん」 ホビーショップ・エルゴの店長、日暮夏彦にしてみれば、花村耕太郎という青年が、これほどの美少女を連れてくることが驚きだった。 しかし、この上もなく不機嫌そうな表情が、美貌を台無しにしている。笑えばさぞかし魅力的だろうに。 日暮は花村に、店の奥の階段を目配せした。 彼のお目当ては、エルゴの二階、バトルロンドの対戦コーナーだ。 数日前、日暮店長は花村から電話で相談を受けた。日暮は快く、彼の相談内容の根回しを行った。 いま二階では、花村の策謀が、今や遅しと待ち構えている。 花村は日暮に軽く会釈し、菜々子を連れて、二階へと上がった。 エルゴの二階は、バトルロンドの対戦スペースとして開放されている。 『ポーラスター』に比べたら、規模は随分小さいが、それでも観戦用の大型ディスプレイや、一休みできるラウンジなどが備えられており、神姫プレイヤーにはとても居心地のいい空間に思えた。 花村と菜々子は、奥のテーブルの一つに向かい合って座る。 端から見れば、ちょっとしたデート中のカップルに見えるだろうか。 花村としては、本当はそうであれば嬉しいのだが、いかんせん、向かいに座る彼女は、これ以上ない仏頂面だった。 花村は、自販機で買ってきたジュースを菜々子に手渡す。 無言で受け取った菜々子は、それを手にしたまま、大型ディスプレイに映し出されるバトルに目を向けていた。 「どうだい、いいバトルしてるだろ?」 そう言った花村をじろりと見る。 花村は観戦用の大型ディスプレイに目を向けたまま楽しげだ。 仕方なく、菜々子もディスプレイに視線を向けた。 確かに、ぱっと見ただけでも、素晴らしい対戦ばかりが繰り広げられていることがわかる。 片目に眼帯をかけたストラーフ型は、接近戦メインかと思えば、スイッチが切り替わったかのように、精密射撃で敵を翻弄している。 同じストラーフ型でも、燐というバトルネームの神姫は、空中で華麗な機動を決めて、相手を倒す。 あるツガル型はまったくのノーマル装備だったが、実に多彩かつクレバーな戦いぶりを披露している。 ノーマルと言えば、アーンヴァル型の一人は公式武装のみのカスタムだ。マイティという彼女もまた、華麗な戦いぶりを披露している。 その相手は、ありえないほどのジェット推進装備を施しているマオチャオ型。あんなのでコントロールできるのかと思いきや、光学武装による分身攻撃さえ見せつけた。 そして、大型ディスプレイにドレスアップされたハウリンが映し出されると、周囲の観客のボルテージが上がる。相当人気の神姫なのか、観客からかけ声すら上がっていた。 この盛り上がりを、菜々子はどこか懐かしく感じた。 そう、ここのバトルのあり方こそは、わたしとお姉さまが追い求めていた理想に近い。 まだ『二重螺旋』が現役だった頃は、こんな楽しさが『ポーラスター』でも感じられた。毎日のように。 だが、菜々子はそんな感傷を振り払う。 やぶにらみのまま、花村に言った。 「試合内容がどうあれ、勝てなかったら意味ないわ」 ゴスロリドレス姿のハウリンは、次々と武器を取りだしては攻撃し、相手を翻弄する。 非武装派の神姫と見せかけて、実はバリバリ武闘派の暗器使いだったらしい。 やがて、必殺技を派手にたたき込んだハウリンが、勝利者になった。 ギャラリーの盛り上がりは最高潮に達した。 まるでプロレスみたいだ、と菜々子は思った。 勝負を見せるのではなく、試合展開や凄みを見せるもの。 それは今の菜々子が求めるものではない。 「ここの人たちがおもしろいバトルをしてるからって、強いとは限らない。強さが伴わない魅せる戦いなんて、大道芸にもならないわ」 あまりに痛烈な菜々子の物言いに、花村は言葉を失った。 だが、代わりに言い返そうとする声が響いた。 「聞き捨てならないわねー」 にこやかに笑って、二人のテーブルのそばに立ったのは、女性だった。 長い黒髪に、はっとするほどの美貌。 肩の上にいるのは、さきほど観客たちを盛り上げていた、ドレス姿で戦うハウリンである。 「戦いは強く美しく。武装神姫はそうでなくちゃ」 美貌のマスターは、魅力的な微笑を浮かべながら言い切った。 菜々子は胸を突かれる。 彼女の姿に、一瞬、おあいお姉さまの姿がダブって見えた。 昔の桐島あおいは、こんな風に笑いながら、同じようなことを繰り返し菜々子に語ったものだった。 ただの感傷だ。 菜々子は首を横に振り、幻影を振り払う。 気が付くと、先ほどからのバトルで興味を引かれた神姫とそのマスターが勢ぞろいしている。 「みんな集まってるわ、花村くん」 黒髪の美少女マスターの声に、花村はほっとした顔で頷いた。 そして、菜々子の方に向き直り、こう言った。 「君がそこまで言うなら、実際にここの常連さんたちと戦ってごらんよ」 「え?」 「勝つためだけのバトルが本当に正しいのか否か、彼らを相手に試してみるといい」 「なんでわたしがそんな……」 「今の君は見苦しい。少し頭を冷やしてもらうといいよ」 花村の顔はいつになく真剣で、瞳は挑戦的な光を帯びている。 菜々子は悟る。 今日、花村が自分をここに連れてきたのは、このためだったのだ。 はじめから予定されていた策略。 エルゴの常連たちが相当な実力者であることは、先ほどのバトルを少し見ただけでもわかる。 つまり、ここの連中を使って、わたしに制裁を加えようと言うわけか。 しかし、菜々子は断る気がなかった。 花村がここまでして仕掛けた策略に対し、持ち前の負けん気が首をもたげたのだ。 「いいわ。やってやろうじゃない」 菜々子は吐き捨てるように花村に答え、立ち上がった。 次へ> Topに戻る>